そうして、迎えた体育祭は晴天に恵まれて朝から暑い。
グラウンドに集められて話す中でも、熱中症に気をつけるように、水分補給はしっかりと等と言う体育の担当教師の話を聞いて準備運動が終われば、各自クラスの集まる色の所へと移動。

今年の私たちのクラスは赤。
各学年8クラスあるので、色は四色に分けられる。
赤、白、青、黄の4カラーだ。

各学年二クラスがひとつのカラーに振り分けられるので、各カラーに6クラス分の生徒が居るのでカラー毎の範囲には結構な数の生徒が居る。

蒼くんと要くんは下級生に囲まれ始めた。
さすが、校内で人気のふたりだ。
下級生なんて普段はそう交流もないので、今日は滅多にないチャンスなのだ。

この前までは穏やかにさすがふたりは人気者だな、なんて見ていられたのに……。
私の気持ちに変化があったから?
今日は下級生に囲まれている要くんを見ると、モヤモヤとした気分になる。

それを振り払うように首を振ってるところに声がかけられる。

「なに、首なんか振っちゃって。ほら、こっち来な!」

声を掛けてきたのは、茜だ。
今回の運動会は茜のクラスと同じ色なので、待機場所が一緒だった。

「茜、なにするの?」
「そんなの、遊ぶに決まってるじゃない」

それはそれは、いい笑顔の茜に私は捕獲されたのだった。