「有紗は?もちろん進学だよね?」

日菜子の笑顔に、私は少し考えてから答える。

「うん、一応その予定」

そう、私も進学はする。
ただし、手に職をつける系の専門学校の予定だ。
詳しくは言わないけれど……。
そこは上手く笑顔で交わしたのだった。

新学期がスタートするとあっという間に時間が流れていく。

体育祭の練習も佳境で、各々出場する競技の練習もかなり進んだ。

日菜子は綱引きと二人三脚にリレー。
蒼くんと要くんは綱引き、騎馬戦、障害物競走にリレーだ。

ふたりはかなり運動神経が良いので、体育祭ではクラスの主戦力だ。
目玉競技への参加が多い。

何しろスタミナとスピードが出せるふたりだから、かなりクラス全体から当てにされている。

「あんま、休みがない」

ボソッと呟いていたのは要くん。

この暑い中これだけの競技に出るのは大変だろう。
ちょっと心配ではある。

「有紗。体育祭の日、お弁当作ってよ」

言い出したのは日菜子と要くん。

「楽しみがなきゃ頑張れない!」

なんと、要くんも暑いのは苦手らしい。
それでもこれだけ出るのだ。
私は見学だし、労うくらいしか出来ないと思ってたのでその提案は渡りに船だ。

「みんなの分作ってくるから頑張ってね!めっちゃ応援するから」

げんなりしつつも楽しそうな三人に私はそう、返事を返した。