パッと付けてくれた下級生の女の子ふたりは、着け終わるとお祝いの言葉と共に言ってくれた。

「先輩方、卒業おめでとうございます。仲の良いおふたりは下級生にとって憧れでした」

その声にはキラキラとした輝くような感じがして、何だか照れくさくなったけれど私は返事をした。

「ありがとう。あなた達も残りの高校生活を、悔いのないように楽しんでね」
「はい!本当におめでとうございます」

そうして、ふたりの下級生は去って行った。
素敵な言葉をもらって、照れくさくとも胸は温かさで満たされた。

「なんか、嬉しいね」
「照れくさいけどな」

そんな会話をしつつ廊下で少しの間待機。
下級生や保護者が体育館に入り終わると、私たちは体育館へと移動を開始した。

体育館の前にクラス順に並ぶとそこで要くんと日菜子が交代する。
「日菜子、ありがとう。日菜子と仲良くなれて、一緒に二年過ごせてとっても楽しかった。私が生活に慣れるまで出掛けたりするのは少し難しいけど、卒業しても会えるかな?」

私の問いに、日菜子は少し鼻をすする音を立てたあとに言った。

「卒業式前から泣かせる気か!会えるに決まってるでしょ!私たち友達なんだから!」

そういうなり、ギューって抱きついてきた日菜子。
「うん、日菜子!大好き」

そんな私たちをクラスメイトももらい泣きしつつ見守ってくれていた。