眩しさの中、最初で最後の恋をした。


そうして、記念撮影会でワイワイしているところに三浦先生がやって来て声を掛ける。

「おう、みんなおはよう!そろそろ移動だぞ、並べ!」

その声に振り返った女子達から悲鳴が上がる。

「キャー!三浦先生!スーツ!カッコイイんだけど!!」

あー、なるほど。
普段ジャージが多い先生がスーツで現れたからギャップ萌えか!
ポンっと手を打っていると、日菜子が言った。
「見えないながらにたどり着いた有紗の答えは間違ってないよ。三浦先生は顔が良いからスーツも映えるよね!」

そんな日菜子の言葉に私は少し惜しみつつ返した。

「確かにね!あー、見えないのが惜しいネタにこんな最後に出会うとは」

その私の声に、騒ぎつつも近くに残ってた女子が声をかけてくれた。

「あー、これは見れないの惜しいよ!目の保養だよ!三浦先生顔良いからさ!」

女子はおしなべてイケメンに弱い。
ギャップ萌えにも弱い。

そんな自分達の現金な思考に、笑いが込み上げてみんなでクスクスと笑いあっていると要くんが移動のために迎えに来てくれた。

「有紗、移動だって。行こう」

その声に応えるように、私は要くんの肘を掴んで歩き出した。

廊下に並ぶと下級生が胸元に花を飾りに来てくれる。

「卒業おめでとうございます」

そこかしこから聞こえる声。
私と要くんの前にも下級生がやってきた。

「お花つけさせてください」
「はい、お願いします」