ふたりが買いに行ってる間、私と日菜子は中庭の片隅に移動して買ったクレープを食べながら待っていたら、下級生の集団に声をかけられた。
「瀬名先輩、汐月先輩!おふたり良かったら俺らと回りませんか?」
そんな誘いを掛けてくる、下級生たちはなんだか軽そうな感じの子達。
私と日菜子は目を合わせてうなずくと、日菜子が口を開いた。
「いや、連れがいるし。君らとは回らないよ。今私ら食べてるから動かな治た治た地たいしね」
サラッと誘いを断る日菜子に、下級生達はそれでもにこやかに食いつてくる。
「え?だって先輩方今ふたりでしょ?いいじゃないですか!俺らと遊びましょうよ」
なかなか諦めの悪い子達だ。
どうしたものかと思いつつ私からも断ろうと口を開きかけた時、下級生達の後ろに蒼くんと要くんが見えた。
ホッと息を吐き出した時、蒼くんが彼らのうちのひとりの肩に手を置いて口を開いた。
「悪いね。そこの子達俺らの彼女なのよ?だから、おとといきやがれ?」
口調も去ることながら、その笑顔で冷気を漂わせてるのがすごくて。
男の子達は一歩引きつつ、返事をした。
「あ、先輩方……。すんませんでした!!」
蒼くんと要くんが来たらあっさり去っていったのでホッとした。
「全く。油断も隙もないな」
その声は少し呆れている。
「有紗、大丈夫だったか?」
さっきまでは睨むような視線を向けていた要くんも、今は気遣うように優しい顔をしている。



