その声にホッと一息つくと、そんな私を見て要くんが柔らかく笑う。

「そんなに周りを気にするなよ。俺たちも多少は言われるだろうけど。有紗にとっては逆に他の男に寄られなくなるからいいんじゃないか?」

そんな言葉を聞いて、確かにと思う。
毎年この時期は手紙やら呼び出しやらでそんな告白を受けたりしていて。
毎回断るのが大変だった。

気持ちはありがたいけれど、私は恋をしたくなかった。
だって、私には無理だもの……。
気持ちが少し沈んだのを見てとったのか、要くんが繋いでいた手を優しく引く。

「これだけ仲良くしてたら、今年は大丈夫だろ。ほら、クレープ食べるんだろ?」

会話していた私達は足を止めていたので、先にクレープ屋に着いていた日菜子と蒼くんにも呼ばれてしまった。

「有紗!要!早く、頼んで食べよう!!」

「はーい、今行く!」

そうして、私達はクレープ屋さんで、チョコバナナ生クリームとカスタードイチゴ生クリームを頼んだ。

「めっちゃ甘い!」

日菜子のチョコバナナ生クリームを食べた蒼くんは、そんな感想を言う。
私もカスタードイチゴ生クリームというのを要くんに一口あげる。

「甘いな」

どうやら男子ふたりには甘過ぎたらしい。
美味しいんだけどな。

「蒼、フランクと焼きそば食べないか?」
「いいね!俺もそれ食べたい」

そんな会話をしてふたりは食べ物系の出店へと買いに行った。