今回は手を引かれて無事に階段を降りた。
歩いてる間、いろんな人に見られたけれど。
今日は馬の被り物とか、着ぐるみとか演劇をするクラスもあるから実に様々な服装で入り乱れているので浴衣が目立つわけでは無い。
つまり、この手を繋いで歩いてる相手が目立つわけだ。
要くんは、引退したけれどサッカー部のエースストライカー。
しかも、見た目も涼やかなタイプのイケメン。
そんな彼が浴衣で女子と手を繋いで歩けば……。
それは目立つよね!注目浴びるよね!
なんでこんな簡単なことに気づけなかったの私!!
無事に階段も降りたので私は手を抜こうと動かそうとしたら、要くんが私を見つめて聞いてきた。
「どうした?手繋ぐの嫌なの?」
その視線は、真っ直ぐで何かあるわけではなさそうだけれど…...。
色々言われてる私は、最近何かあるとすぐにドキドキしちゃうし顔に出やしないかとヒヤヒヤもする。
「なんか、手を繋いでると周りの視線が……」
徐々に小さくなる声、それでも要くんはしっかり聞いてくれたみたいで返事がくる。
「目立つ訳でもないだろ?俺たちの前のリア充ふたりの方が目立ってるからな」
その言葉に顔を上げて前を見れば、日菜子と蒼くんがいつも通り仲良くしている。
その二人を見て、周りの声を聞いてみる。
「水木先輩と瀬名先輩は相変わらず仲良しで羨ましいね!」
そんな声だ。



