茜のクラスのお化け屋敷……。
誰だ、高校の文化祭にあんな高クオリティにしちゃった輩は!!
とだけ言っておこう……。
終始私は要くんの腕にしがみつき、キャーどころかギャーギャー言って叫び続けた。
ホラーが苦手な人が入っちゃダメなやつだった……。
文化祭のお化け屋敷でしょ?なんて思ってたのは間違ってたよ。
出てきた時には私も日菜子も叫び疲れていた。
それをなんと出口で待ち構えてた茜に再び叫ばされた。
「わー!ちょっとビックリさせないで!!」
そんなビクビクの私を見て茜はクスクス笑っている。
この友人は楽しいことに目がないのだ。
「あー、かー、ねー!!」
「ふふふ、よくホラー嫌いな有紗が入ったね!はい、これお値引券!美味しかったから食べに行っておいで」
茜がくれたのは二年生がやってるクレープ屋さんの割引券。
「いいの?」
「私もう終わりまで当番で抜けれないからね!行ってきなよ」
怖い思いをしたけれど、いい事もあるものだ。
「わ!クレープ屋さんのとこか!この後行こうと思っててからラッキー」
私の手元を見て日菜子も喜ぶ声を上げる。
「じゃあ、クレープ屋さんに行きますか!」
お化け屋敷を無事切り抜けた私達は、次は食事系の出し物が並ぶ中庭を目指して校舎を出るべく一階へと移動して行った。
もちろん、落ちた前科のある私はしっかり要くんと手を繋いでいた。



