クラスに着くと、休憩に入る子達と店番を交代する。
着替えるのも面倒で今日は既に浴衣を着ていて、その姿で家庭科部の店番もしていた。
なので、ここに来て身につけるのは自分で作ったカフェエプロンだけ。
それを身につけると、私は控えのスペースから店のスペースへと移動して接客を始めた。
「いらっしゃいませ。和風喫茶へようこそ。お客様は二名様でよろしいですか?」
「はい、ふたりです」
「ただいまご案内します」
空いてる席へと案内して、メニューを置いてご案内。
「こちらが当店のメニューになります。お好きなお菓子と飲み物をお選びください。決まりましたらお声をかけてくだい」
席を離れて、オーダーの準備スペースへ。
仕入れた和菓子と飲み物をカップに入れて、準備ができると和柄のマットと共に持っていきそのマットの上に注文の品を乗せて提供する。
そのマットも和柄の布を四角に縫うだけなので、エプロンの後に私が縫った。
飾りとしてあると、やっぱり雰囲気が良いので作って良かったと提供の様子を見つつニコニコしていた。
そんな私に日菜子が近づいてきて、聞いてくる。
「有紗!階段から落ちたって聞いたけど大丈夫なの?!店番なんかなんとでもなるから無理せず休みなさいよ!」
強めの剣幕に一歩後ろに下がりつつ、日菜子に返事をする。



