「……やっぱりお前は何もわかってねぇな。」
「えっ……?」
西田先輩がぽつりと吐いた言葉。
声は小さかったけど私の耳にまでしっかりと届く。
何もわかってない?
「どういうことですか。」
「さぁな。」
「ここまできたら言ってくださいよ!」
「言ったところで意味ない。」
「勝手に決めつけないでください!
ほら、言ってくださいよ。」
言ってくれなきゃわからないことだってあるのだ。
西田先輩はただでさえ口数が少ないっていうのに。
一方的に私が話して相槌を打ってくれてるのだろうと思うけど。
「西田先輩、私は怒りました。」
「勝手に怒っとけ。」
「私根に持つタイプですからね!?
ずっと覚えときます!」
「どうでもいい。」
「絶対許しませんよ!?」
「……園田。」
「……っ!?」
突然名前を呼ばれ、思わずドキッとしてしまう。
すると西田先輩はこっちを向いて……
意地悪そうに笑った。
「うるさい。」
こんなにもかっこよくうるさいと言える人がいるんだと内心思いながら、私は素直に黙るのだった。



