「早く好きって言ってくれないと他の男に目移りしちゃいますよー?」



それは絶対ないけど。
私の瞳にはいつだって西田先輩しか映らない。



これからも西田先輩しか映す予定はありませんから!



「………勝手にしとけ。」



あ、間があった!
今間がありましたよ!?



声のトーンも落ちて、やっぱり丸わかりの西田先輩。



「えー、ひどいです。
もう知りませんからね、どうなっても。」



「別にお前のことなんとも思ってないからどうでもいい。」



どうでもいいと言ってるわりには随分お怒りのようですよ?



これだから鈍感は困る。
お願いだから気づいてほしいっていうのに。



「西田先輩。」
「なんだよ。」



「今日は手をつないで登校しましょうか!」
「……勝手にしとけ。」



素っ気なくて冷たい返事。



でも、聞きました?
今勝手にしとけって言いましたよね!?