家に帰り、何をする気にもなれずにベッドの上に腰を下ろす。
その時、西田先輩からもらったお土産を開けようと思い紙袋を手に取った。
ゆっくり傷つけないように開ける。
この袋たちも永久保存版だな。
中を見ると、私の予想通りジンベエザメのぬいぐるみで。
これを西田先輩が買ったんだと思ったら萌えるし、現場を見てたら悶絶してる。
そのジンベエザメのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめて最後の西田先輩の言葉を思い返す。
私が、本気じゃないって、そんなわけない。
逆に西田先輩がそう言って私を突き放そうとしてるんじゃないの?
気づかないふりして私のせいにしてる?
でも、西田先輩はそんなことする人じゃない。
今日のデートを思い返すと余計にそう思う。
じゃあ本気でそう思ったってこと…?
「あーもう!
西田先輩がわからないよ……」
私の小さな吐きは誰にも聞かれることなく、静かに消えていった。