ドキッと、胸が高鳴った。
心を掴まれたような、そんな感覚。
経験したことのある、この感覚。
そう、これは……
相川先生が好きだった時の感じと似ている。
というか同じだった。
些細なことでもドキッとして、胸が締め付けられるような、そんな感覚と。
「……どうした?」
その時ようやく立っていた西田先輩が私の隣に腰を下ろした。
何故かいつもと違う感じで鼓動が速くなる。
「……い、今の。」
「ん?」
「今の笑顔は普通に反則です!
イエローカードですよ!心臓に悪い!」
今、心臓バックバクですから!
「イエローカードってなんだそれ。
じゃあもう一回笑えば俺、退場だから帰っていいんだ?」
「だ、ダメです!
帰らないでください!」
もっと隣にいたい。
こうやって、西田先輩の隣に。



