私の腕の中で全く動こうとしないうさぎ。



可愛い、癒される。



向こうには猫や犬もいるけど、私はもうこのうさぎだけで充分。



連れて帰りたい。
うさぎ飼いたい。



「……可愛い。」



ずっと撫でれる気がする。
うさぎの毛がふわふわで温かい。



なんて思っていたら……



カシャッ、というシャッター音が近くで聞こえはっと我に返る。



音の方を見ると、西田先輩がこっちにスマホを向けていた。



………え?



「に、西田先輩?」



まさか、撮られた?
う、嘘!?



ひどい顔してなかったかな!?



恐る恐る西田先輩に聞くと、西田先輩はスマホから顔を上げ私を見た。



そして……



「可愛く撮れた。」



と、あの少し幼い笑顔が初めて私に向けられた。