ーーー「あーっ、今日も西田先輩かっこよかったな。」
「莉乃、またそれ?」
「莉乃ちゃん飽きたりしないの?」
ただいま昼休み。
高校で知り合った蘭(らん)と鈴(すず)の三人で仲良く食べていた。
大人びた蘭と、ふわふわした柔らかい存在の鈴。
この二人はいつも西田先輩について語る私を受け入れ、聞いてくれる。
「飽きないよ。
ずーっと西田先輩のこと話せる!」
「もう歪んでるね、あんた。
西田先輩が可哀想。」
呆れ顔の蘭は西田先輩の良さがわかってないのだ。
「本当にかっこいいんだからね!?」
「はいはい、かっこいいのはわかるけどクールで冷たいって有名じゃん。
みんな西田先輩が好きだけど怖くて近づけないのに、どうして莉乃は近づけちゃうかな。」
「だって怖くないもん。」
「じゃあ莉乃ちゃんにだけ優しいのかなぁ。」
鈴は私が喜ぶことばかり言ってくれる。
私にだけ優しいって嬉しい。
優しくないけど。



