先輩、好きって気づいてください!





「へへっ……えへへ……」
「その気持ち悪い笑い方やめろ。」



「だって西田先輩が優しいから幸せなんです。
それに、それに……


さっき、名前呼んでくれましたよね!?
園田って。初めてですよ?」



「だから?」
「初めて記念日ですね!」



「馬鹿らしい。」



西田先輩はその言葉を残して駅のホームへと入っていく。



「ま、待ってくださいよ!」



仮にも未来の彼女を置いていくなんてひどい!



「西田先輩!」
「……なに。」



「園田って名前で私良かったです!」
「あっそ。」



「だって西田先輩と同じ漢字があるんですよ!?
それだけで幸せです。」



「その思考やめろ。
苗字変えたくなる。」



ダメです、ダメ。
西田先輩は私と同じ漢字が入ったままでいてくれないと!