「学校生活はどうなんだ?
莉乃ちゃんが高校入ってから全然会わなかったからなぁ。」
寂しそうな顔をする相川先生が懐かしい。
好きだったなぁって。
今は、もう大丈夫。
思い出すと苦しくなるけど、それはきっと本気で好きだったから。
「そうですね。
楽しいですよ?」
「勉強は大丈夫か?
一応俺の後輩になるからな。
あそこテスト地味に難しいだろ?」
……そう、私はどうしても相川先生に近づきたくて同じ高校を選んだ。
もちろんレベルも高かったから、本気で勉強して何とか受かることができたんだ。
「いつもギリギリですかね。」
「じゃあまた俺の生徒になるか?」
「もー、勧誘とかやめてくださいよ!」
軽い調子で返せる私って成長したな。
最後に相川先生を見たのは塾が最後の日で、想いを伝えようとしたけどその前に失恋したという悲しい終わり方だったのに。
こうして普通に話せるのは……うん、西田先輩と出会ったおかげだ。



