先輩、好きって気づいてください!





ーーー金曜日



西田先輩がわざわざ送ってくれた電車の時間を無視して三十分早く電車に乗る。



早く起きすぎて待てなかったのだ。



そして一駅先の西田先輩の駅で降り、改札を出て待つという行為をした。



多分西田先輩に引かれるだろうな。



でも楽しみすぎたから仕方ない。
待てなかったのだ。




「……それにしても久しぶりだなぁ。」




この駅は中学の時よく活用していた。



何故なら私の通っていた塾がこの駅の近くにあるからだ。



塾は正直楽しかったし、いい思い出の方が多い。



だからこそ、その分辛いことが際立ってしまいできれば思い出したくない過去になっていた。



どうしよう、ここでもし彼に会ったら。



まだ辞めていないだろうからその可能性も高い。



なんてそんな考えをしていたからだろうか。
そういう時こそ現実になるのは……




「莉乃ちゃん?」




その言葉に、心臓がドクンと音を立てる。