先輩、好きって気づいてください!





『周りの奴らとか、クラスの奴らとかは明日が一番楽しみなんだって言ってんだけどさ。』



「は、はい。」



何が言いたいんだろう。
西田先輩は楽しみじゃないのかな?



『俺は明日よりも金曜の方が楽しみかもしれない。』



じゃあ、おやすみ。と言って切られた電話。



だけど私はしばらくの間硬直し、スマホを耳から離すことができなかった。



頭が追いつかない。
西田先輩の今の言葉にもさっきの言葉にも。



とりあえず私を殺しにかかってるってことぐらい。




『金曜の方が楽しみかもしれない。』
『おやすみ。』



これ以上に幸せなことって今まであったかな?



もう本当に今ならなんでもできる気がする。



西田先輩の言葉を何度も思い返すうちに自然と頬が緩み、ニヤニヤが止まらない。



「西田先輩、大好きです…!」



今は電話が切られているため、西田先輩には届かないが言わずにはいられなかった。



早く金曜日になってほしいと心の中で何度も願いながら、私はそのまま眠りに落ちた。