「ほ、本物!
本物ですね西田先輩!
どうしよう、どうしよう、会いたいです!
嬉しすぎて今から沖縄行けます!」
『来るな、うざいから。』
あっけなく拒否されてしまった。
悲しい。
でもそんなことどうだっていい。
「西田先輩。」
『なんだよ。』
「どうして電話くれたんですか!?
もしかして私の声が聞きた」
『切るぞ。じゃあな。』
「う、嘘です!冗談です嫌です西田先輩ー!!」
『……はぁ、だからスマホを離して喋れって言ってるだろ。』
どうやら切らないでくれるらしい。
嬉しい、優しい。
「ご、ごめんなさい…!」
『……どうせお前が俺に気を遣ってんだろうなって思ったから。』
電話越しに聞こえたその言葉。
直接聞けなかったのが惜しい。
私の気持ちをわかってくれる西田先輩は運命の相手だ。



