そんな私の言葉に、先生である二人は驚いていた。



え……?



本気で理解できない。
でもなんだろう、この引っかかりは。



「莉乃ちゃん、それ本気で言ってる?」
「え……?」



「えっ?晴人、莉乃ちゃん記憶喪失にでもなった…?」



「違いますよ。
莉乃はバカなんで俺のこと忘れてるんです。」



「は?え、ちょっと先生理解できないぞ?
二人は、付き合ってるんだよな?」



「はい、付き合ってます。」



「……莉乃ちゃん、晴人は俺の授業で莉乃ちゃんとペアだったんだぞ?


それなのに覚えてないのか?」



「………え…?」



すぐには理解できないバカな頭で、必死に相川先生の言葉を理解しようとする。



相川先生の授業で、私とペア、だった……?



その時、ぼんやりと昔の記憶が脳裏に浮かぶ。




『これから私とペアなんだよね!
私、莉乃!呼び捨てでいいよ!


君はなんて言うの?』



個別だったから、私はペアである相手と仲良くしようとして。



そんな私を見て、ペアだった男の子は……



『西田晴人。』
って、言ったんだ。



面倒くさそうな顔をしている男の子はメガネをかけていて、でもかっこいいなって第一印象はそれだった。




ーー思い、出した……。