「莉乃の手、冷たいな。」
「きっと晴人先輩に温めてもらうのを待ってたんですね。」
「……。」
「あっ!黙って手を離そうとしないでくださいよ!」
慌てて晴人先輩の手をぎゅっと握る。
「お前が気持ち悪いこと言うからだろ。」
「本当のことを言ったまでです……ってぎゃー!離さないで!」
晴人先輩と手をつなぎたいのに離そうとしてくるなんてひどい。
私がぎゅーっと握って離さないでいると、晴人先輩は諦めてくれた。
まあ離されたとしてもまた握ってくれると思うけど!
それはあえて言わないでおく。
その後、しばらくして年が明け、晴人先輩に年越し最初の『あけましておめでとうございます』を言った。
「これからもよろしくお願いしますね!
お年寄りになってもですよ!」
「お前は先まで考えすぎだろ。」
私の言葉に呆れる晴人先輩。
年明け最初の呆れ顔だ。
嬉しい。



