そう、私って結構欲深いから。
足りないんです。
こんなに甘くなった晴人先輩だけど、それでもまだまだ足りない。
駅へと向かう帰り道。
晴人先輩から私の手をとり、つないできた。
もうそれだけで嬉しい。
でもやっぱり物足りない。
もっとって思ってしまう。
足りないと思うけど、嬉しいは嬉しい。
矛盾してるけど、そんな感情が私の中であるのだ。
「晴人先輩が好きすぎてどうしよう……」
「なんだよそれ。」
本気で悩む私の隣で、晴人先輩は幼く笑いながら私を見た。
きゅんって。
きゅんってきましたよ今。
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