「絶対ないです!
じゃあもしかして始業式の日の電車で、私のこと一目惚れしたってことですか!?」
それならすごいことだぞ!
私、さすがに行きの電車は晴人先輩のこといたとしても気づかなかった。
「違う。
まあ電車でもお前を見たけど、それよりも前。」
「……えっ、と?
どういうことですか?
言ってる意味が……」
「忘れてんだよ、お前が俺のこと。」
「……はい?」
ダメだ、言ってる意味がわからない。
だって、私が晴人先輩のこと忘れてる?
じゃあもっと前に出会ってるってこと?
「あの、嘘ですよね?」
「嘘じゃない、バカ。俺のこと忘れるなんてな。」
軽く頬をつねられてしまう。
え……えぇ?
じゃあ本当に会ってるってことなの?



