「……え?」
涙でぼやける視界だったけど、思わず顔を上げる。
そしたら西田先輩が……
「誕生日おめでとう、莉乃。」
と言って私の涙を拭った。
「……へ?」
予想外のことで思わず間抜けな声が出て、涙も引っ込んでしまう。
そんな私から視線を外す西田先輩。
「……お前が誕生日だから、昨日買いに行って。
その帰りにいとこと会って、からかわれた。
そこをタイミングよくお前が見てたんだよ。」
少し照れくさそうにしている西田先輩。
一気に悲しさが吹き飛んでしまう。
「あ、えっと……ご、ごめんなさい……」
「無理。」
「そ、そんな……!」
無理って言われちゃった。
そりゃ怒るよね。
まさか私のためにプレゼント買ってくれたなんて……
首元に触れるとそれはネックレスで。
重い証だ。
どうしよう、すごく嬉しい。



