結局連れてこられたのは中庭の一角。
目立たない場所。
その上お昼の時間のため、人の姿が見かけられない。
あ、これは絶体絶命。
「西田先輩、肌寒いんで教室戻りません?」
「うるさい。」
いつもの調子で話しかけても素っ気なく返されてしまう。
くそー、怖い。
結構恐怖に震えてるよ私。
その上今の状況はですね。
後ろは壁でして。
追い込まれてます。
壁ドンだぁ!
嬉しい〜!ってノリじゃないから今は本気で。
ものすごく怖いです。
睨み方が怖いです西田先輩!
「西田先輩が怒る理由がわからないんですけど。」
「お前の方が浮気だろ、あれ。」
「はい?」
「あんま俺舐めんなよ。」
声が、低い。
恐ろしいくらい低い声で言われる。



