「悪い、こいつ借りる。」
西田先輩はそう言って私の腕を掴み、引っ張ってくる。
自然と立ち上がった上に身体が傾き、西田先輩に受け止められる形になった。
すると教室はキャーキャー騒ぎ始めて。
慌てて蘭たちに助けを求めるのだけど……
「気にせず連れて行ってください!」
「莉乃ちゃん、お幸せに……!」
もちろん助けるどころか見送られるし。
「え、江本……きゃっ!?ちょ、西田先輩痛いです!」
西田先輩は私の腕を掴んでいる手の力を強め、歩き出してしまう。
江本はその様子を見て、諦めろとでも言いたげに首を横に振ってきた。
い、意味がわからない!
なんで西田先輩がこんな怒ってるわけ!?
浮気したのはそっちじゃないかこの野郎ー!



