「こんな堂々と浮気なんで最低ですね!!」
「ちょ、お前声でけぇよ…!」



隣で驚く江本。
あとで謝ろう。



「なら私も浮気してやる!」
「は……はぁ!?」



西田先輩からの返答はなし。
反応するのは江本のみで。



構わず江本と腕を組む。



そこでようやくはっとし、我に返ったような顔をする西田先輩。



「おい、これは誤解だ。」
「言い訳無用です!さようなら!」



そう言って私は江本を無理矢理引っ張って、西田先輩に背中を向けて逆方向に歩き出す。



「は?お前、駅あっちだろ…」
「遠回りするよ!黙ってついてきて!」



もう怒りました、私は。



「おい園田!」



西田先輩が声を張り上げたから思わず止まろうと思ったけど我慢して歩き出す。



結局そのまま駅へと向かう。



「なぁ、西田先輩って人誤解だって言ってたけど。


あの顔だから兄弟ってオチなんじゃねぇの?」



その途中に江本が口を開いた。