ーーー「ん……?」



ゆっくりと目を開ける。



目の前には少しシワになったプリントが目に入る。



どうやらテスト勉強中に寝てしまっていたようだ。



時計を確認すると、まだ十時頃で。



「……懐かしいな。」



夢で見た、相川先生と女の先生のキスシーン。
今はもう胸が痛まない。



吹っ切れた証拠。



でもやっぱり男子の顔と名前が思い出せなくて。
じれったい、うずうずする。



しまいにはイライラしてきた。



「そんな相川先生にぞっこんだったのかぁ。」



確かに塾の子の名前と顔を思い出せって言われても、まさかのはっきりとは思い出せない。



全員、ぼんやりと。



そこまで相川先生に一途だった私に笑けてくる。
でも今じゃいい思い出、かも。



そんな時、ふとスマホに目が入る。



そして昨日のことを思い出す私。



そう、昨日は西田先輩の家で勉強して、初めてキスした思い出の日。



今は日曜日の夜、明日になればまた西田先輩に会える。