多分お互いタメだったから同い年のはず。
それから……なんとなくだけど、眼鏡もしていた。
それ以外は本当になにも思い出せない。
『相川先生見なかった?』
そんな男子に私は塾最終日の日、声をかけた。
『さあ。デスクにいるんじゃない。』
『あ、ありがとう…!』
男子にお礼を言った私だったけど、その時は相川先生に想いを伝えるんだって必死で緊張していた。
そして先生たちが授業以外の時にいるデスクのある部屋に着いた、その瞬間……
相川先生は女の先生とキスを交わしていて。
『……もう、バレたら知らないよ?』
『今は誰もいてないから大丈夫。』
『えー、怖いよ。』
『スリルがあって楽しいだろ?』
そう言って、二人は笑い合う。
そしてまたキスをして……
この時の絶望感は今思い出しただけでも苦しかった。
動きたいのにその場から動けない。
今にも泣き出しそうで震えだしたその時。
ふと、誰かに目を手で覆われ、視界が真っ暗になる。