そして放課後。
「あれー?
莉乃ちゃん、早く帰らないの?」
いつも私は誰よりも早く教室を出るからだろう、鈴が私を見て驚いていた。
「うん、今日はゆっくり!」
「どうして?西田先輩は?」
少し不思議そうに見る鈴。
そんなの理由は一つしかない。
「たまには私を待ってる西田先輩を見たいなぁって。
帰る約束してないのに待っててくれるってすごくない!?」
それがしたくて本当にたまに、バレない程度にやっている。
ほんの数回だけど、それでも待ってくれる西田先輩が愛おしくてたまらない。
「すごい以前に絶対先輩、莉乃ちゃんのこと好きだよ!」
鈴は天使のように笑顔を浮かべる。
な、なんていい子なんだ…!
私を喜ばしてもいいことないぞ!?
「本人鈍感だから気づいてくれないの。」
「えぇ!?そーなの!?」
そんな私たちのやりとりを聞いた隣の席の江元が話に入ってきた。
「お前自惚れすぎだろ。」
「いや、まじだから!西田先輩、絶対私のこと気になってるよ!?」
「どっからくるんだ、その自信……」
呆れる江元。
いや、本気で西田先輩見てほしい。
江元と一緒にいたら嫉妬するんだろうな。
今度試してみよう。
私のことしか考えられなくなるぐらい、好きになってもらうんだから!



