それだけで単純な私は寂しさが吹き飛んで、心が軽くなる。
「はい!さようなら!」
私も笑顔で返し、西田先輩に背を向ける。
そして改札を通ってホームに入り、幸せな時間は終わってしまった。
でも、またさらに西田先輩と近づけて私は満足している。
付き合えるまであと少しと、本気で思った。
ただ……。
ーー「……おっ、やっぱり晴人だ。また会ったな!」
「……相川先生、こんばんは。」
「おう!
てかさ、さっきの子って莉乃ちゃんだよな?
もしかしてお前ら付き合ってんのかー?」
「……まあ、そうですね。」
「うわー、やっぱそうか。
まさか二人が付き合うなんてな。
晴人の前では莉乃ちゃんってどんな感じなんだ?」
「…………“莉乃”は、色々勘違いしているバカな性悪女ですかね。」
「それ、褒めてるのか?」
「褒めてますよ、一応。」
……真実を知るのは、もう少し先のこと。