「あ、噂をすれば響から電話だ。もしもーし、なに?」 奈央ちゃんはよくこんなふうに、自習時間にも関係なく電話をしている。 その相手が早瀬くんってことは、別に珍らしいことじゃない。 「あー、マジ?いいよ、じゃあねー」 いつもは20分くらい、笑いながら話してるのにな。 今日はものの1分で電話を切ったりして、すごく短い通話だ。 「満瑠、消灯したあと寮を抜け出そうよ」 「……え?」 「1階の廊下の窓から簡単に抜け出せるって響に教えてもらったんだ」