私の名前は、漆島満瑠(うるしまみちる) 両親が『幸せに満ちあふれた人生になりますように』ってつけてくれた名前らしいけど。 私の人生は、どうも幸せからほど遠いみたいだ。 『山岸くん、そんなこと言ってきたんだ?いくらなんでもひどいよ』 泣いてばかりの私を慰めてくれたのは、校門の前でずっと待ってくれていた亜美だ。 亜美とは中学1年生のときから仲がいい、いわば親友だ。 もちろん、私が山岸くんに片思いをしていたことも知っている。