siten 判治南人

「お前上の名前」

「…蝶野」

蝶野…羽久安。

頭を取ると蝶羽って読めるがあんな地味で最低な女が蝶羽なはずがない。

蝶羽はもっと綺麗で良い奴だった。

急に姿を消した蝶羽の本当の名前を知らないまま蝶羽姿を消してしまった。

それでも俺は蝶羽との約束を守るためにここまで登りつめたんだ。次は俺が蝶羽を助けられるほどに強くなるために俺はここまで来たんだ。けどそんな蝶羽が消えた…。

もしあの女が蝶羽ならば何故あいつは俺のところに来てくれないのかも不思議だ。

きっと俺の思い込みなだけだよな。

「海弥斗さん」

「ん?」

「…蝶羽の本名って」

「俺は教えられない」

「なんでですか?」

「あいつは今…探されたくない理由があんだ」

「どこにいるんすか?」

「…それも言えねぇな」

「そうですか」

「ただ…あいつはこの街に今いるよ」

「え…」

「俺から言えるのはそれだけだ」

蝶羽がいまこの街にいる?
だったら一体いまどこにいるんだよ。
もしかして俺が気づかない内にすれ違ってたりするのか?

だとしたら蝶羽なら気づくに決まってる。
それにあの羽久安とか言う女も気になる。

俺らが殺気を出して目の前にしても一切動じることなく平然としている。あいつを見ている限り俺らに近寄りたくて七夏に近寄ってる感じは一切感じ取られない。

だったらなんだ?あいつは一体何をしたいんだ。七夏もあの女に相当懐いているぽいしな

俺らが知らないだけで良い奴なのかもしれないな。それにさっき七夏があの女の話をしてたけど…助けられたと。

その話に七夏も何か隠してる内面が見られたが聞かないことにした。七夏が俺に隠すくらいだから相当隠したいんだろうな。

俺は反対側の校舎が見える方に立ち空を眺めているとふと七夏のクラスが見えて見る。七夏はあの女と同じクラスって言ってたよな。

少し…あの女を探って見る価値はありそうだ