「この子、ほんとバカだからさ。次の期末で挽回しないとやばいんだよね」



と、私の肩に手を回して心配するそぶりの愛可は、秦野君に目で訴えていた。



「…いや、何、ムリ、寝る」



きっと全力の拒否だよね。


ていうか愛可は何がしたいの?



「私自分で勉強するよ?…多分」


「ダメ。…秦野と仲良くなりなって!そのチャンスじゃん」



寝ると言ってからすぐに寝た秦野君を見て、ヒソヒソ声で言うけれど、


…まあ秦野君と仲良くなりたいとは思うけど、不思議と、でも