純ちゃんは、立ち上がった。


私が何も言わないから、呆れた?

嫌いになった?

どうしよう。

純ちゃんが他の人を好きでも、私は純ちゃんを嫌いになれないよ。


すると、純ちゃんは私の椅子を下げて、机の下から出した。


何?


考える暇もなく、純ちゃんは、私の膝裏に手を入れて、私を抱き上げた。

え!?

お姫様抱っこ!?

「純ちゃん!?」

私が驚いて声を上げると、目の前ににっこりと笑う純ちゃんの顔があった。

私はそのまますぐ横のリビングのソファーに連れて行かれ、純ちゃんの膝の上で抱きしめられた。

「純ちゃん、重いでしょ!?
降ろして。」

私が言うと、

「何のために筋トレしてきたと思ってるの。
大丈夫だよ。」

と頭を撫でられた。

そのまま、純ちゃんから熱いキスが落とされる。

純ちゃんの舌はバニラアイスの味がした。

「咲笑、何を悩んでる?
教えて?」

純ちゃんが耳元で囁く。


「………やめてよ。
他に好きな人がいるのに、私に優しく
しないで。」

言っちゃった…

もう、終わりだ。

黙ってれば、このまま夫婦のフリができたかもしれないのに。