42歳 主婦 旦那様に片思い中【佳作受賞】

私たちは、昔、行ったカフェに入った。

「懐かしい。変わらないね。」

私が言うと、

「俺たちの気持ちと一緒だな。」

と言って、純ちゃんが私を見つめる。


純ちゃん、どうしたの!?

こんな甘々なセリフ言う人じゃなかったのに。

私がまた恥ずかしくなって俯くと、テーブルを挟んで純ちゃんの手が伸びてきた。

純ちゃんは、私の頬を撫でながら、

「咲笑、かわいい。」

と言った。

「あの…
純ちゃん、どうしたの?」

「何が?」

「純ちゃん、そんな事、今まで言った事ないのに。」

「? ああ。」

純ちゃんはくすっと笑って、

「だって、言わないと通じないだろ?
俺は、ずーっと咲笑を愛してるのに、咲笑、分かってなかったみたいだから。
これからは、ちゃんと言葉にしようと思って。」

と言った。