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2年半の不妊治療は、私の中の意識を変えた。

性行為は、愛の営みではなく、子作りの一過程に過ぎなくなった。

排卵日には絶対に必要な行為で、それ以外の日にはどうでもいい行為になった。

体外受精、顕微受精が始まると、排卵日の行為も必要なくなった。

妊娠中は、やっと授かった我が子に何かあるのが怖くて、一度もできなかった。

出産後は、女性ホルモンの影響で、体が女ではなく、母になり、夫に触られるのも嫌になった。

これも夫婦の義務…と思い、応じても、体が反応しない。

感じる事もなければ、濡れる事もない。

だからかな? 夫も私を求めなくなった。

私は、それがありがたかった。

我が子がかわいくて、我が子以外はどうでもよかった。

父として、母として、円満な家庭を築けていたし、それが幸せだと思ってた。