背後から突然声がした。少年はその声に驚き振り向いた。

少女は泣き止み、おっきいピエロさんだーっとはしゃいでいる。

少女の言うようにそこには背の高いピエロのような男が立っていた。


「誰だ!?…この辺りの人間じゃないな」

『私ですか?私は只の放浪人です。…聞けばどうやらお困りのようで』


何で困っている事を知っているんだと少年は思いつつ、黙って男の話を聞いた。


『ふふっ…その表情を見ると…私は何でも知っているんですよ。

夏にしか見れない太陽を御探しで?』

「うんっおっきな夏のお日様ー」


少女は男の問いかけに素直に答えた。少年は思わず少女の口を塞いだ。


『素直なお嬢ちゃんですね…では私が叶えましょう…涙は似合いませんし』

「お前に叶えてもらいたくなんか…」


少年がそこまで言いかけた時、男は手を叩いた。すると辺りが眩しくなった。

その眩しさに、少年と少女は思わず目を閉じた。

まぶたの裏が赤くなり、だんだん黒くなり始めた頃に2人は目を開けた。