「あー…お前が目を輝かせて読んでいたやつか。あれがどうした?」

「この空走ってそうだよねー…乗ってみたいなー…宇宙見たいしね」


ああ、そういうことか…この空を見ていて

なんでそう思ったのか知らんが確かに走ってそうだ。


「勝手に一人で見に行ったら…?

それはそうとお前、空想は好きじゃなかったんじゃないのか」

「あれは…現実じゃない事が好きな子は

将来とんでもないことになるってのを信じたから…」


声がだんだん小さくなる。そしてプリュイは無理矢理話を戻した。


「って違うでしょ!?列車に乗ったら…火星や土星見れるかな?あと月も」

「見れるんじゃないのか…?宇宙だし」

「シエルは素っ気無いねー…」

「乗れるとすれば俺が先に乗るかもな。だって…うっ」


…なんか変だ。頭はぼんやりして胸は痛くて苦しい。


「シエル?」


そんな声が聞こえたけれど苦しくて返事が出来ない。

視界にはプリュイがいるのに声が何も聞こえない。

そう言う状態が続いたと思ったら、目の前が真っ暗になった。

言いたくても言えなかった。だっての続きを。

“あの話が現実になるのであれば、列車は亡くなった人を乗せていると思う”と。