そう言われなくてもそうさせてもらうつもりだ。

俺はとりあえずプリュイから離れた場所に座った。

星を眺めていた。正しくは、夜空に広がる宇宙の星だけど。

そうやって長い時間はすぎているように感じた。プリュイは相変わらずすねていた。

こういうところは今も昔も変わっていない。進歩してないと言うか、なんというか。


「あっ、シエル」


戻ろうとした時、突然プリュイが話しかけてきた。小さな声で“何?”と尋ねた。


「流れ星…」

「は?流れ星?」


俺は思わず聞き返した。プリュイは我に返ったらしく焦っている。

何をそんなに焦っているのか俺には分からなかった。


「じゃなくてじゃなくて…あ、そうだ。シエル覚えてる?」

「何をだよ」


何を覚えているのかを言わないと俺にだって分からない。


「もー…忘れっぽいのは相変わらずだね。何年か前に太古の国の物語でさ、


宇宙を走る列車の物語を一緒に読んだの覚えてる?」