7日目。村へは戻りたくないと思った私は無意識の内に森へ入った。

そして見つけてしまった。あの日旅人が言っていた“妖精”を。

信じていなかった妖精が目の前にいる。信じられない。だけど今は信じるしかない。

だから思わず私は彼女(彼?)に話しかけた。“私の願いを叶えて”と。

妖精は“無理だよ”と答えた。私は必死でお願いだからと叫び、訴えた。

それでも妖精はあの時の医者と同じように答える。

もう嫌だ。何度“無理だと”聞いて、何度も聞くのは。

だから“イエス”と答えて欲しい。


『私が叶えるのではなくて、あなたの力で叶えられるんだよ。

あなたは、あの時の青年と似ている…だから叶えられる』


何回叫んだだろうか。ようやく“無理だ”以外の言葉を聞いた。

不治の病を私が治す?どうやって?そしてあの時の青年って?

疑問だらけだった。その疑問を聞こうとして、また妖精はこう言った。


『私は願いを叶えるんじゃなくて、願いを叶えるのを助けるの

1日でも長く生きるように努力して…私の役目はこれで終わり』