「星奈!俺、俺ずっと星奈のことが好きだったんだ!付き合ってくれないか?」



青く澄んだ空。

そよ風に乗ってゆらゆらと舞う桜。

目の前には頬を赤く染めている男の子。



「…いいよ。」


私はこの子のことを何も知らない。

もちろん私はこの子を好きじゃない。



「ほ、ほんとか?!よっしゃ!」



緊張して強張っていた表情が一気に緩んで目の前の男の子は小さくガッツポーズをした。



「帰ったらメールするな!んじゃ、また離任式で!」


「…うん。」