「一番手放しちゃいけないもの手放しだな。俺。もう遅いみたいだし。幸せになれよ」


「え?」
「ふっ、一生気づかなければいいのにな。 他の男に取られるくらいならそれでいい。」


そんな意味不明なことを言っている。
「帰るか?」


そして、私はこのよく分からないモヤモヤを抱えながら風矢に送られて家に帰った。


「じゃあな」
そう言って、遠くなってく背中。