目の前にいる女全てが獲物みたいだ。
「え?」


「こいつはやめろ。おい、さっさといくぞ」
「え、どこに?」


俺は萌愛の手を引き、空き教室を出て廊下を歩く。
すると女とすれ違う。
そいつらは俺らを見て騒いでる。


「龍樹くんが桐乃さんと?どういうこと?」
ちらっと、萌愛を見ると下を向いて歩いていた。


「おい、もうちょっと胸張ってあるけ!萌愛は俺の彼女なんだから堂々としてろよ」
「でも…しかも名前」


「命令、別にいいだろ?付き合ってんだから。」
そして、俺はある程度女が周りに集まってきたので、言ってやる。


「俺、桐乃萌愛と付き合ってるから!こいつに手出したやつ女でも男でもぶっ殺す」
俺は大きな声でそう言った。


「え、でも、桐乃さんって神宮寺くんと…」
「桐乃さんって面食い?」


こいつへの批判の声がたくさん上がる。
「超男好きじゃん」
「どうやって龍樹くん落としたんだろうね?」


そんな声にこいつは泣きそう。
「行くぞ。気にすんな」


そして、俺はこいつを教室に送り、俺はまた空き教室に戻った。


「すげぇ、みんな騒いでたぞ?てか俺分かっちゃったんだけどさ、お前周りの女をまくために萌愛ちゃん利用してんだろ?」


「うるせー。」
俺は本当に萌愛と付き合いたいと思ってる。
ずっと前から。