来季くんは、私の話を聞いてたのかな?


「このままだと、このいじめエスカレートするだけだよ?どーせ、誰にも言ってないんでしょ?」


「…」
エスカレートするのは嫌だけど、言えない。


「はぁ、こんな顔させて。俺、悲しい顔してる女の子ほっとけないんだよね。龍樹のものじゃないみたいだし貰っちゃおうかな?」


そう言って、私の頭をポンポンしてきた時
ーガチャ


「来季ー、居るんだろ?」
屋上のドアが開き、龍樹の声が聞こえてきた。