「お前さ、あんな奴のこと早く忘れろよ」
龍樹の言うあんな奴は多分風矢の事だろう。


「…私だって…早く忘れたい。こんな気持ち嫌!…でも、体が風矢を勝手に探して…声聞くだけで、名前聞くだけで苦しくなるの。」


付き合って、好きって気持ちが大きくなって私の心を埋め尽くしたから消えなくて、でも消えたら私の心の中は空っぽになる気がして怖い。


私を、孤独から救って笑顔にさせてくれたのは風矢だから。いつも、私に笑顔を向けてくれて一緒にいるだけで幸せで、風矢がいなくなるのなんて考えられなかった。