いつも、遅いけど帰って来てたのに。

でも、忙しいから仕方がないって自分に言い聞かせてずっと我慢して来た。

今日も、仕方ないんだよね。だって、私がわがまま言ったらお父さんは幸せになれない。


私が我慢すればいいんだよね。
「やっぱ、萌愛は頭いいな!話がすぐ分かる!お前が就職するまではお金は送るから!あと、あの家もお前にやる!じゃあ、もう帰っていいぞ!」


「分かった!じゃあね」


私は、またあのイケメンな運転手さんが送ってくれるって言ったけど、私は1人になりたくて1人で帰ることにした。


帰り道、公園が目に入った。
小さい頃、お父さんとお母さんが休みの日ここに来た。


まぁ、お父さんは会社で何かトラブルがあったらすぐに戻らないといけないから遠くまでは行けなくてここだったけど、とっても楽しかった。


私は、公園に入りブランコに乗った。
小さい頃はお父さんが押してくれて、お母さんは私を見て笑ってくれた。


「ふぇ…」
私って存在してる意味あるのかな?
お父さんと縁を切るってことは親がいないってこと。


私って何のために生きてるのかな?
このまま1人で寂しいまま?


「萌愛?」
「…風矢」


なぜか、前には風矢がいて心配そうに私を見てる。
「どうかした?」


もう、風矢にドキドキとかはしない。
「私…何のために生きるんだろ?」