「えー、そうですかー? 佐川くんは下ろしてる方がいいって言ってたんですけど… 好みの違いですかね?」 わたしがそう言うと先生は 少しピクッと動いた。 …ん? 「へー、そーなんだ。 俺は結んでる方が良い。」 な、なんでそんな意地っ張りなんですか。 「はいはい! わかりましたってー、 明日からは結びますっ! じゃ、また授業で!」 わたしは少し残念な気持ちを抱えながら 廊下を走った。